越中八尾 風の盆 12.9.1〜3


母の郷里である越中八尾の「おわら風の盆」に、40年振りに訪れました。その時は五木寛之の
「風の柩」と云う短編の中に出てくる深夜の町流しを見るのが目的でした。
親類の家の二階で寝ていたら深夜、微かに胡弓の音が聞こえてきて、そっと起き出し外に出たら
小説の世界と同じで、胡弓と三味線と歌だけの四五人の人達の後ろをたった一人,少し離れて
歩いたことを夢の出来事の様に憶えています。            (写真をクリックすれば拡大されます)
八尾の町は町並みを整えるため助成金を出しているそうで、だんだん綺麗になってきています。


3時頃から各町内の踊りが始まり、続いて一般の人も混じって輪踊りになっていきます。


各町内では、花を打った家の前で正式な踊りを奉納します。今回親類の家が二日目・三日目と
花付したので二回も正面に座らせて貰って見ることが出来ました。
花付の踊りの時だけは、完全に道を遮断します。そして胡弓が鳴り出すと、それまでの騒々しさが
すっと静かになり、胡弓と三味線と太鼓の音だけになって粛々と踊りが始まります。
正面に座って居る者がカメラを構えるのが憚られるような、厳かな雰囲気さえありました。


花付の踊りが終われば、又輪踊りの場所に戻って行きます。


12時まで各町内で大小の輪踊りが行われます。初めての人、揃いの浴衣のグループ、地の人と
超初心者から熟練の人まで一緒になって踊り続けます。  こちらは上新町の輪踊り


午前1時を過ぎた頃から町流しが始まります。暗いので拡大して見て下さい。
午前2時過ぎに真っ暗な坂の上から胡弓が聞こえて来て、先頭に手だれの二人の踊り手が静かに
前を通り過ぎました。一番見たかった町流しをやっと見られたと思いました。
昔見た町流しをもう一度なんて、望むべくもないのは判っていますので・・・            地図


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