修学院離宮 11.10.7


42年前、大学1回生の時、古美術研究会に入部して最初に、桂離宮と修学院離宮の拝観手続き
を命じられ、たくさんの部員の中を飛び廻ったことを、懐かしく想い出しました。その時の印象は、
計算され尽くした桂離宮より雄大な修学院離宮の方が断然好みで、事実桂離宮は何も憶えてい
なかったのですが、修学院離宮の上ノ茶屋からの眺望は鮮やかに記憶に残っていました。
修学院離宮は、後水尾上皇が1659年に完成した山荘です。皇后は今年の大河ドラマの主人公江
と徳川秀忠との五女、徳川和子(東福門院)なので、徳川幕府からの多大な寄進があったそうです。
                                      (写真をクリックすれば拡大されます)
下御茶屋 寿月観


中御茶屋 客殿・楽只軒
下ノ茶屋から中ノ茶屋への道は、田園の中の松並木を通って行きます。

客殿

天下の三棚(桂離宮の桂棚・醍醐寺三宝
院の醍醐棚・修学院離宮の霞棚)の霞棚


上御茶屋 隣雲亭
中ノ茶屋から上ノ茶屋へ同じく田園の中の松並木を上がって行くと、御成門に着きます。

上ノ茶屋への松並木

御成門の上は、ほんのり色付いていました。

御成門から高い刈り込みが見えます。

高い刈り込みの石段を登って隣雲亭へ

隣雲亭

浴龍池

楓橋

千歳橋

待合腰掛

浴龍池から隣雲亭を遠望
修学院離宮は、上・中・下三つの御茶屋がありますが、下ノ茶屋と中ノ茶屋は、ただ上ノ茶屋へ
行くための序曲であり、その効果を最大に見せるためだけにあるような気がします。
御成門から高い刈り込みで視界が遮られているので、隣雲亭に着いて振り返って見る浴龍池
から北山の借景の雄大さは、あっと云う驚きで、ただもう見事です!
でも42年前と違ったのは、北山の借景の中に白い煙突が見えたことで、係員に聞くと洛北市原
のゴミ焼却炉で、京都市にせめて白を緑色にしてくれるよう折衝していると云っていました。
もう一つは洛北の街が発展して、住宅地が山すそまで迫ってきて、視界に入ってきていました。
宮内庁は近隣の山を買い取って国有地にして、借景を守ろうとしているのですが、やはり限界が
あり借景庭園の困難さを感じました。                              
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